小劇場の広報PR費用と全体予算のバランスの悪さ

こんにちは。
このブログを見てくださっている方は既にご存知だと思うのですが、私は小劇場、劇団、舞台のに特化した広報PRを行なっています。

最近有難いことに、「石井さんって舞台の宣伝とかやってるの?」「広報について相談したいんだけど」と声をかけていただくことが増えました。
広報PRについて学び始め、お仕事をいただけて活動できること、メディアへの掲載などの成果が出せていること、少しずつ私の活動が認知されてきており、嬉しい限りです。

広報PRという言葉を表に出して活動して1年たった今、気づいたことがいくつかあります。

舞台の広報PRを専門にやっている人、いない

既存の枠組み、既存の役職の中で広報という業務がどこに含まれるか考えると、宣伝活動の一環と捉えれば、広報は制作の仕事です。
私自身も自分が所属している劇団で元々制作をやっており、その活動の中で広報に興味を持ち、可能性を感じ、専門的に学びました。

ですが、名の知れた制作さんの担当された公演のメディア露出の状況を見ても、「演劇系のメディア」への露出で止まっていました。
推測になりますが、プレスリリースを書いて、新聞やテレビにアプローチすると言うことは行なっていないと思われます。

舞台の広報PR、コスパ悪い

「コスパが悪い」というのはかなり雑な表現なのですが、舞台公演の予算と、広報PR活動の費用のバランスが悪いです。
実は、小さな舞台公演の広報PR活動でも、企業のサービスの広報PR活動でも、行う内容はほぼ同じなんです。
ですが、企業のサービスは永続的に提供が続けられ、売上が上がり続ける予定のものですが、舞台公演は期間も客席数も決まっていて売り上げの上限が決まっています。
全体の予算規模が全く違うのです。

舞台公演においてPR活動を行なったことによって、メディア掲載などの成果を出せたとしても、全体の予算の中で見た時に広報PRの費用が占める割合や、集客へ貢献したかという短期的な費用対効果を考えると、
広報PRにお金をかけるより、宣伝にお金を使った方が良いかも知れません。

広報PRで提供できる価値は

効果は出ている、それに必要は費用はこの額である、でも全体の予算から考えるとそれは適正な額なのであろうか。
私自身かなり迷い価格設定をしています。

迷う理由を挙げると、
①舞台公演の全体の予算を正確に把握していない
②舞台の広報PRで出せる価値を私が思い描けていない
この2点かなと思います。

②に関しては私個人のリサーチで解決できる課題ですが、①に関してはたくさんのデータが必要です。
もしデータを提供してくださいる方がいらっしゃいましたら、無償で広報PRお手伝いするくらいのことはしたいと考えています、ご連絡いただけましたら幸いです。(twitter DM解放してます。)

演劇系ウェブメディア一覧

演劇系のウェブメディアをリストアップしました。
広報活動の際にお役立てください、また「他にもあるよ!」という場合はお知らせください!

※注意事項などをよく読んでから情報を送るようにしてください。

■ステージナタリー(株式会社ナターシャ)

https://natalie.mu/stage

  • 演劇・ダンス・ミュージカルなどの舞台芸術のニュースを毎日配信!上演情報や公演レポート、記者会見など舞台に関する幅広い情報をお届けします。

「情報提供・広告掲載・お問い合わせ」というページに情報提供先のメールアドレスの記載あり。

■SPICE(株式会社イープラス)

https://spice.eplus.jp/

  • SPICE(スパイス)は、国内初、エンタメ特化型情報メディア。音楽、クラシック、舞台、アニメ・ゲーム、イベント・レジャー、アート、スポーツ、映画などのニュースや レポート、インタビューやコラム、動画などHOTなコンテンツをお届けするエンターテイメント特化型情報メディアです。

「掲載依頼・お問い合わせ」のページに情報提供先のメールアドレスの記載あり。

■チラシステージ(株式会社イープラス)

https://eplus.jp/sf/guide/cst

  • 全国の舞台公演チラシが、スマートフォン・タブレットで簡単に閲覧できるe+(イープラス)の無料アプリ

ページ下部に登録先へのリンクあり。

■アプリ版ぴあ(ぴあ株式会社)

https://lp.p.pia.jp/

  • ぴあ株式会社が提供するエンタメ情報メディア。映画、音楽、舞台、アート、クラシックの作品&ライブ情報のほか、話題のニュースや人気アーティストの連載をお届けします

メニュー内「お問い合わせ」というページの、お問い合わせ種別に「情報掲載について」という項目あり。

■カンフェティ(ロングランプランニング株式会社)

https://magazine.confetti-web.com/

  • ページ下部に「記事の掲載をご希望の方へ」というページへのリンクがあり、情報の掲載、広告掲載の詳細の案内あり。

■ローチケ演劇宣言!(株式会社ローソンエンタテイメント

https://engekisengen.com/

  • ローチケ演劇宣言!は「ローソンチケット」が運営する演劇・ミュージカルに関するインタビューや観劇レポート、製作発表の模様などを紹介するウェブサイトです。

■エンタメターミナル(株式会社ERIZUN)

https://enterminal.jp/

  • エンタメ関連のインタビュー、製作発表、稽古場、舞台稽古、など多くの取材を基に、“知る”だけでなく“読んで楽しむ”記事

「掲載依頼」ページ内に情報の送付先のメールアドレスの記載あり。

近況、今後の予定など

すっかり更新をサボっていました。
水族館劇場の公演に今回は最初から最後まで、全面的に参加しました。約3ヶ月、現世から離れていたように感じます。浦島太郎です。現実に戻るのに時間を要しました。

舞台PR相談会

先週、『舞台PR』相談会を実施しました。
舞台、小劇場、劇団、文化芸能関連の広報やPRについて個別に相談に乗りますという会です。(zoomで実施)

ずっと前からやろう、やらなきゃと思っていたのですが、
質問に答えられなかったらどうしよう、とか、募集して誰からも応募なかったらどうしよう、などという自分のつまらないプライドに阻まれ、なかなか開催できていませんでした。でも!「いろんな人の困り事を実際に聞いて知らないと人の役に立つ仕事はできない」と思い、開催に踏み切りました。

今回、2名の方とお話ししたのですが、
・宣伝方法
・プレスリリースを使ってメディアに情報を提供する
・プレスリリースに書く内容
というような内容をお話ししました。

DMの送付、HPやSNSでの広報以外に、メディアに情報を提供し掲載してもらうという手法があり、今回の相談者さんのお一人は市民劇団の方だったので、その場合は新聞の地域版に「市民の活動」「地域のニュース」として取り上げられやすいことをお伝えしました。

もう一人の相談者さんには、具体的にプレスリリースの書き方、内容の組み立て方、分量、プレスリリースを読む記者の方の目線についてお伝えしました。
「小劇場のプレスリリース」はお手本や雛形、正解のようなものがないので難しいです。なので、PR塾で学んだ小規模の企業(または個人)が出す物の構造を参考に、私も日々頭を悩ませています。

参加者の声

相談会終了後に簡単なアンケートに答えてもらったのですが、「有意義だった」「聞きたいことが聞けた」というコメントをいただきました!
舞台の広報やPRはまだまだできることがたくさんあるので、これからも情報発信を続けていきたいと思います。
以下、掲載許可をいただいたコメントです。

「気づきが多い、有意義なセッションでした。プレスリリースは大企業の記者発表みたいなもので、あまり縁がないなというイメージでしたが、自分の劇団でも活用できることがわかりました。事前にこちらの劇団のことを調べて頂き、具体的なアクションに繋げられる提案を頂きました。ありがとうございました。」

「聞きたかった点について端的に説明していただけてよかったです。 宣伝活動における重要なポイントを考えるきっかけになりそうです。」

感想

現場の最大の課題は「集客」。
広報と集客の結びつきについて、実際の状況をもっと知って、情報の設計を考え、提案ができるようになりたいと思いました。
そして集客という課題の解決を目指すなら、広報よりも広告の方が結果が出せる場合もあると思うので、広告についても詳しくなりたいと思いました。

PRをお手伝いしたり、HP作成を請け負ったりする中で、広報や情報の設計について相談を受けることが多いです。
「なかなか相談できる人がいなくて」という声をよく耳にします。
演劇について相談できる人はいるけど、広報戦略や劇団のブランディングについて相談できる人がいないようです。
PRに加えてコンサルなどの領域のことも勉強中です、なんでも相談できる人めざしてスキルアップしていこうと思います。

無料相談会、また開催しようと思います。
開催のお知らせをしていない時でも、お問い合わせいただければ随時相談に乗りますので、お気軽にtwitter DMよりお問合せください!(zoomにて30分程度、無料)

今後の予定

9月3日戯曲組『令和X年のオセロー』
広報で参加しております。

10月27〜30日『Manhattan96 Revue〜白昼のグリーンジャーニー〜』
広報で参加しております。

ここまで読んでくださった貴方様、ありがとうございます。
どうぞお元気で、ごきげんよう。